【相続手続き】相続した不動産に不動産取得税はかかる?遺贈・生前贈与との違いをわかりやすく解説!!

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不動産を取得すると、原則として「不動産取得税」という税金がかかります。

しかし、相続によって土地や建物を取得した場合、不動産取得税はかかりません。

一方で、亡くなった方から遺言によって不動産を受け取る場合や、生前贈与によって取得する場合には、不動産取得税が課税されることがあります。

今回は、相続・遺贈・生前贈与による不動産取得税の違いを、具体例を交えて解説します。

1.不動産取得税とは?

不動産取得税とは、土地や建物を取得した際に、その取得者に対して課税される都道府県税です。

一般的には、次のような場合に課税されます。

  • 土地や建物を購入した場合
  • 不動産の贈与を受けた場合
  • 土地や建物を交換した場合
  • 建物を新築した場合

不動産取得税は、不動産を取得したことに対して課税されるため、代金を支払ったかどうかや、登記をしたかどうかは原則として関係ありません。

ただし、相続による取得など、法律で定められた一定の取得については非課税とされています。

2.相続で取得した不動産には不動産取得税がかからない

相続によって土地や建物を取得した場合、不動産取得税は非課税となります。

例えば、父親が亡くなり、長男が父親名義の土地と建物を相続した場合を考えてみましょう。

【具体例】

  • 土地の固定資産税評価額:2,000万円
  • 建物の固定資産税評価額:500万円
  • 取得原因:父親から長男への相続

この場合、土地と建物の合計評価額は2,500万円ですが、不動産取得税は0円です。

相続税の申告が必要な場合や、実際に相続税を納める場合であっても、この取扱いは変わりません。

なお、不動産取得税が非課税であっても、相続登記の際には原則として登録免許税がかかります。

登録免許税については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【関連ブログ:【相続手続き】相続登記の登録免許税はいくら?計算方法と免税措置をわかりやすく解説!!】

3.遺言で不動産を取得した場合はどうなる?

遺言によって財産を取得させることを「遺贈」といいます。

遺贈には、大きく分けて「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があります。

包括遺贈とは、「遺産のすべてを渡す」「遺産の2分の1を渡す」といったように、財産の全部または一定割合を指定する方法です。

一方、特定遺贈とは、「○○市にある土地を渡す」というように、具体的な財産を指定する方法です。

不動産取得税の取扱いは、遺贈の種類と取得者が法定相続人かどうかによって異なります。

不動産を取得する人包括遺贈特定遺贈
法定相続人非課税    非課税    
法定相続人以外非課税課税

例えば、祖父が遺言書に「孫に自宅の土地を遺贈する」と記載していた場合を考えてみましょう。

その孫が法定相続人ではない場合、これは相続人以外への特定遺贈となるため、不動産取得税の課税対象となります。

一方、「孫に遺産の2分の1を遺贈する」といった包括遺贈の場合は、法定相続人以外であっても不動産取得税は非課税です。

このように、同じ遺言による取得でも、遺言書の内容によって不動産取得税の取扱いが変わる点には注意が必要です。

※孫が代襲相続人などとして法定相続人に該当する場合は、取扱いが異なります。

4.相続時精算課税を使った生前贈与は課税対象

相続時精算課税制度を利用して不動産の生前贈与を受けた場合、不動産取得税はどうなるのでしょうか。

結論からいうと、相続時精算課税制度を利用していても、不動産取得税は原則として課税されます。

相続時精算課税制度は、贈与税や相続税に関する制度であり、不動産取得税の非課税制度ではないためです。

例えば、父親が所有する土地を長男に生前贈与し、相続時精算課税制度を適用したとします。

この場合、贈与税が発生しなかったとしても、不動産取得税については贈与による取得として扱われます。

つまり、

相続による取得 → 不動産取得税は非課税

相続時精算課税による生前贈与 → 不動産取得税は原則課税

という違いがあります。

相続時精算課税制度を利用して不動産を生前贈与する場合には、贈与税だけでなく、不動産取得税や登録免許税なども含めて検討することが重要です。

なお、住宅などについては、一定の要件を満たすことで不動産取得税の軽減措置を受けられる場合があります。

5.死因贈与で不動産を取得した場合も課税対象

「死因贈与」とは、贈与者が亡くなったことによって効力が生じる贈与契約です。

例えば、父親と長男が「父親が亡くなったら、この土地を長男に贈与する」という契約を締結していた場合が該当します。

死因贈与は、財産を取得するタイミングが相続と同じであるため、相続と混同されやすい制度です。

しかし、不動産取得税では、死因贈与による取得は相続による取得とは区別され、原則として課税対象となります。

相続税の計算上、死因贈与によって取得した財産が相続税の課税対象となることと、不動産取得税が非課税になることは別の問題です。

不動産を引き継ぐ方法によって、発生する税金が異なる点に注意しましょう。

7.不動産取得税の取扱いを一覧で比較

ここまでの内容を整理すると、次のようになります。

不動産の取得方法不動産取得税
通常の相続非課税
法定相続人への包括遺贈非課税
法定相続人への特定遺贈非課税
法定相続人以外への包括遺贈非課税
法定相続人以外への特定遺贈原則課税
通常の生前贈与原則課税
相続時精算課税による生前贈与原則課税
死因贈与原則課税

※「課税」と記載した取得についても、別途、免税点や軽減措置などが適用される場合があります。

8.まとめ

相続によって不動産を取得した場合、不動産取得税は非課税となります。

しかし、遺贈や生前贈与などによって不動産を取得した場合には、課税されることがあります。

特に注意したいのは、次の3点です。

  • 相続人以外への特定遺贈は、不動産取得税の課税対象となること
  • 相続時精算課税制度を利用しても、不動産取得税は原則として課税されること
  • 死因贈与は、相続とは異なる取扱いになること

不動産を誰に、どのような方法で引き継ぐかによって、税金の負担が変わる場合があります。

生前贈与や遺言書の作成を検討する際には、相続税や贈与税だけでなく、不動産取得税や登録免許税についても確認しておきましょう。