【生前贈与】不動産取得税はいくらかかる?計算方法と住宅の軽減措置をわかりやすく解説!!

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親から土地や建物を生前贈与してもらう場合、贈与税だけでなく「不動産取得税」がかかることがあります。

不動産取得税は、土地や建物を取得した人に対して課税される都道府県税です。

相続によって不動産を取得した場合は非課税ですが、生前贈与によって取得した場合は、原則として課税対象となります。

ただし、一定の住宅やその敷地については、税負担を軽減する制度も設けられています。

今回は、不動産取得税の計算方法と、生前贈与で利用できる主な軽減措置について解説します。

1.生前贈与で不動産を取得すると不動産取得税がかかる

不動産取得税は、売買によって不動産を購入した場合だけでなく、贈与によって取得した場合にも課税されます。

例えば、父親が所有する土地を長男に無償で贈与した場合、長男は土地の購入代金を支払っていません。

しかし、無償で取得した不動産であっても、不動産取得税の課税対象となります。

また、次のような制度を利用した場合でも、原則として不動産取得税は課税されます。

  • 相続時精算課税制度を利用した生前贈与
  • 夫婦間の居住用不動産の贈与税の配偶者控除を利用した贈与

これらは贈与税に関する制度であり、不動産取得税まで非課税になるわけではありません。

なお、相続や遺贈によって不動産を取得した場合の取扱いについては、こちらの記事で解説しています。

[関連ブログ:相続した不動産に不動産取得税はかかる?遺贈・生前贈与との違い]

2.不動産取得税の計算方法

不動産取得税は、原則として次の計算式で求めます。

不動産の価格(課税標準額)× 税率 = 不動産取得税

ここでいう「不動産の価格」とは、実際の購入価格や贈与時の時価ではありません。

原則として、固定資産税評価額を使用します。

例えば、土地の時価が3,000万円であっても、固定資産税評価額が2,000万円であれば、原則として2,000万円を基準に計算します。

また、不動産取得税の税率は、2026年10月現在、次のとおりです。

不動産の種類税率
土地3%     
住宅用の建物3%
住宅以外の建物4%

※上記の土地・住宅の税率は、2027年3月31日までの取得について適用される特例税率です。

ただし、土地が宅地等に該当する場合は、次に説明する特例によって税額が軽減されます。

3.宅地を取得した場合は評価額が2分の1になる

2027年3月31日までに宅地や宅地として評価された土地を取得した場合、不動産取得税の計算上、土地の価格を2分の1にする特例があります。

例えば、父親から固定資産税評価額2,000万円の宅地を生前贈与してもらった場合を考えてみましょう。

【具体例】

  • 土地の固定資産税評価額:2,000万円
  • 土地の種類:宅地
  • 税率:3%

まず、宅地の特例を適用します。

2,000万円 × 1/2 = 1,000万円

この金額に税率3%を乗じます。

1,000万円 × 3% = 30万円

したがって、この土地の不動産取得税は、住宅用土地の減額などを考慮しなければ30万円となります。

なお、この2分の1の特例は、住宅が建っている土地だけに限られるものではありません。

一定の宅地等に該当すれば、住宅が建っていない土地についても適用されます。

4.住宅を生前贈与した場合は軽減措置を受けられることがある

生前贈与によって中古住宅を取得した場合、一定の要件を満たせば、建物の固定資産税評価額から一定額を控除できます。

主な要件は、次のとおりです。

  • 個人が自分の居住用として取得する住宅であること
  • 一定の床面積要件を満たすこと
  • 一定の耐震基準を満たすこと

2026年4月1日以降に取得する中古住宅については、床面積が40㎡以上240㎡以下であることが要件の一つとなっています。

また、耐震基準については、原則として1982年1月1日以降に新築された住宅であれば要件を満たします。

それ以前の住宅でも、所定の耐震基準適合証明などによって対象となる場合があります。

住宅の軽減措置を利用した計算例

例えば、次の中古住宅を父親から贈与してもらった場合を考えてみましょう。

【具体例】

  • 建物の固定資産税評価額:500万円
  • 新築年月:1998年
  • 床面積:100㎡
  • 取得者:長男
  • 使用目的:長男自身の居住用

この住宅が軽減措置の要件を満たす場合、1998年に新築された住宅の控除額は1,200万円です。

建物の固定資産税評価額500万円から控除額を差し引くと、課税標準額は0円となります。

したがって、建物の不動産取得税は0円です。

一方、軽減措置が適用されない場合には、次のようになります。

500万円 × 3% = 15万円

このように、軽減措置の適用によって税額が大きく変わることがあります。

※中古住宅の控除額は、新築された時期などによって異なります。

5.住宅の敷地にも軽減措置がある

住宅用の土地を取得した場合にも、一定の要件を満たせば不動産取得税の軽減措置を受けられます。

例えば、中古住宅とその敷地を同時に取得し、その中古住宅について前述の軽減措置の要件を満たす場合などが対象です。

土地については、原則として次のいずれか高い金額が、計算した税額から減額されます。

① 45,000円

② 土地1㎡当たりの価格 × 住宅の床面積の2倍(1戸当たり200㎡が限度)×住宅の取得持分× 3%

※宅地等の場合、②の土地1㎡当たりの価格は、固定資産税評価額を2分の1にした金額を基に計算します。

土地の軽減措置を利用した計算例

次の土地と中古住宅を、父親から長男へ同時に贈与した場合を考えてみましょう。

【具体例】

  • 土地の固定資産税評価額:2,000万円
  • 土地の面積:150㎡
  • 建物の床面積:100㎡
  • 長男が土地と建物の全部を取得
  • 建物は中古住宅の軽減要件を満たしている

まず、土地の不動産取得税を計算します。

2,000万円 × 1/2 × 3% = 30万円

次に、土地の軽減額を計算します。

土地1㎡当たりの価格は、

2,000万円 × 1/2 ÷ 150㎡ = 約66,667円

軽減額の計算に使う住宅の床面積は、

100㎡ × 2 = 200㎡

となります。

したがって、軽減額は、

(2,000万円 × 1/2 ÷ 150㎡)× 200㎡ × 3% = 40万円

です。

本来の不動産取得税30万円よりも軽減額40万円の方が大きいため、土地の不動産取得税も0円となります。

つまり、今回の例では、軽減措置の要件をすべて満たすことで、土地と建物の不動産取得税がいずれも0円となります。

ただし、住宅用土地の軽減措置には、土地と建物の取得時期などについても要件があります。

6.相続と生前贈与では税負担がどう違う?

ここまでの内容を整理すると、次のようになります。

比較項目相続生前贈与
不動産取得税非課税原則課税          
宅地の課税標準2分の1の特例不動産取得税が非課税のため計算不要適用対象となる場合あり
中古住宅の軽減措置不動産取得税が非課税のため計算不要要件を満たせば適用可能
住宅用土地の軽減措置不動産取得税が非課税のため計算不要要件を満たせば適用可能

相続の場合、不動産取得税は非課税です。

一方、生前贈与では原則として課税されますが、住宅やその敷地については、軽減措置によって税額が0円となる場合もあります。

ただし、不動産取得税が0円になることと、生前贈与の税負担がなくなることは別の話です。

生前贈与では、贈与税や登録免許税なども考慮する必要があります。

そのため、不動産を生前贈与するか、将来の相続まで待つかを判断する際には、税金を総合的に比較することが重要です。

7.軽減措置を受けるための手続きにも注意

不動産取得税は、通常、不動産の取得後に都道府県から送付される納税通知書によって納付します。

ただし、住宅やその敷地について軽減措置を受ける場合には、申告や必要書類の提出が必要になることがあります。

東京都では、軽減措置の適用を受ける場合、不動産取得税申告書に必要書類を添付して申告することとされています。

具体的な申告期限や必要書類、手続き方法は、取得した不動産が所在する都道府県によって確認しましょう。

また、軽減措置の要件を満たすかどうか判断が難しい場合には、事前に都道府県税事務所へ相談することをおすすめします。

8.まとめ

生前贈与によって土地や建物を取得した場合、原則として不動産取得税がかかります。

しかし、実際の税額は、不動産の種類や軽減措置の適用によって大きく異なります。

今回のポイントは、次のとおりです。

  • 不動産取得税は、原則として固定資産税評価額を基に計算する
  • 土地と住宅の税率は、2027年3月31日まで原則3%
  • 宅地等は、課税標準額を2分の1にする特例がある
  • 一定の中古住宅やその敷地には、軽減措置が設けられている
  • 相続時精算課税を利用しても、不動産取得税は原則として課税される

生前贈与を検討する際には、贈与税だけでなく、不動産取得税や登録免許税も含めた税負担を確認することが大切です。